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セブのジンベイザメ

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   セブ島南端に近いオスロブ町タンアワン村はセブ市内からバスで約3時間、東海岸に面した小さな漁村だ。これといった観光名所も産業もなく、外来客もほとんどなかった浜辺の村が今、巨大魚「ジンベエザメ」の見学客でにぎわっている。
   ジンベエザメは体長が10メートル以上にもなる大きな魚で、サメとは名ばかりで性格はおとなしく、ダイバーに人気があることで知られている。ことの始まりは昨年10月頃、韓国人ダイバーらがネットで流した数枚の写真だった。ダイバーらは沖合いで泳いでいるジンベエザメを見つけ、さっそくフェイスブックで写真をアップロードしたところ、またたく間に世界中のファンにその存在が知れ渡ったらしい。その後、うわさを聞きつけた国内外のツアー客が「ジンベエザメ・ウォッチング」に次々と訪れ始めたのだという。
   砂浜で3人乗りの手漕ぎバンカ(小舟)に乗り込みさっそくウォッチングに出発した。バンカの客はほとんどは船上見学のみの非ダイバーたち。100メートルも沖に出ると、もうジンベエザメの大きな背びれや尾びれが海面から見え隠れしている。ジンベエザメは時々、餌をねだってか、バンカの底に体をこすり付けてくる。尾びれでバシャッと海水をはじき上げそうになり思わずカメラを手で隠す。海面から青黒い色をしたジンベエザメの頭の一部が見える。白い斑点が細かく並んだ頭の幅は1メートル近くあり、平たく角ばっている。小さな目が頭の脇にちらりと見えた。「ウヤップ」と呼ばれる餌の小エビを、漁師がバンカから手づかみで海面に近づけると、餌付けされたジンベエザメが大きな口をパックリあけたまま、ゆっくりと海面すれすれに並んで泳ぐ。口から大量の海水といっしょに小エビを吸い込んでいく。体内のエラを使って餌だけをろ過する仕組みらしい。口は頭と同じほどの大きさでサメのような歯はない。ジンベエザメは漁師によくなつき、「ティコイ(オスの子ども)」、「フェルミン(メス)」などの名前をもらって、友だちのようにかわいがられていた。水中眼鏡をかけた若いフィリピン人女性が水に飛び込み、ジンベエザメの背中をまたぐようにすれすれまで近づいて大はしゃぎしていた。    ジンベエザメが話題になった当初、昔から海でよく見かけていたこの巨大な魚の人気に地元の人たちは首をかしげた。バスで市内から次々にやってくる欧米人のバックパッカーや車で乗り付ける観光客。浜辺には公営の駐車場はないしトイレもシャワーもなかった。降って湧いたようなうれしい景気に町のバランガイ(以下「自治会」)は対応に追われた。自治会のスタッフは急きょ、浜辺に臨時のテントを張り、仕事そっちのけで交代で受付を始めた。漁師は魚を獲るのをやめて海のガイドになった。
   「漁師やっても儲からないが、ジンベエザメのおかげで今では1日500ペソはかたい」と話すのは、漁師のセリスティーノ・ドゥレンスさん(53歳)。ドゥレンスさんは地元漁師で、ジンベエザメは子どものころから知っていたという。撒き餌欲しさに誤って網に引っかかったこともあるらしい。自治会スタッフの一人で観光客にウォッチングの心がけをレクチャーしているリンダ・ラビステさん(57歳)も、「4歳の頃、祖母と浜を歩いているときにジンベエザメを見かけたことがある」と話す。オスロブ町から東に15キロほど行けば美しい海で知られるボホール島のバリカサグ島がある。この島はバラクーダやギンガメアジなどの大群が遊泳する国内有数のダイビングスポットだ。セブアノ語で「トゥキ」、タガログ語で「ブタンディン」との固有の呼び名があることから、ジンベエザメは、何十年も前からこの海域を回遊してきたのであろうか。自治会によるとオスロブ町近海には現在、7、8頭のジンベエザメが確認されているという。
   今年1月7日から、浜辺への入場料が一律300ペソと決められた。自治会によると、収入はオスロブ・リゾート・レクレーション委員会が管理、その60%が自分のバンカで見学客を案内する漁師に支払われ、残りがトイレ・シャワー室など、会場施設の維持管理費に充てられる。また、「ジンベイザメの都」と呼ばれているビコール地方ソルソゴン州ドンソル町の保護規則にならって、「ジンベイザメ見学10カ条の掟(おきて)」を作成、見学客には約10分間のレクチャーを義務付けている。「10カ条」には「触ってはだめ、乗ってはだめ。漁師の指示は尊重し従うこと。ジンベイザメが餌を食べているときは口から2メートル以内に近寄らない」などのほか、「ときどき漁師と勘違いし餌をねだって近寄るかもしれないが、怖がらないこと」など楽しそうな内容もある。
   魚用の撒き餌でいつの間にか餌付けされたジンベイザメと、地元漁民が共存共栄する漁村オスロブ。「この村からジンベイザメがいなくなったらどうするの」とにわかガイドで漁師のドゥレンスさんに聞いてみたら、「そんなことはあり得ないよ、昔からいたんだから。でももしそうなったらまた海に出て魚を獲ればいい、なんとかやっていけるよ」。(編)

行き方 How to Get There
Whale Shark Watching - The Friendly Giants of Tan-Awan, Oslob, Cebu
   オスロブ町タン・アワン村(Barangay Tan-awan, Oslob)への行き方(バスの場合): セブ市内の「サウスバスターミナル(South Bus Terminal)」からオスロブへ行きバスに乗る。セブ市からオスロブまで117キロ、バスで約3時間。料金は1人150ペソ。乗務員に「Whale Shark Watching」、あるいは「ブタンディン」と言えば降車場所を教えてくれる。
詳しい情報は、「Whale Shark Watcher’s Organization」まで
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リゾート入場料: 1人500ペソ、救命胴衣利用料: 30ペソ、荷物預かり料(1個): 10ペソ、サンダルレンタル: 10ペソなど。(漁師さんへのチップは各自)
*料金は変更になります。

ナビ・マニラ第10号[Navi Manila Vol. 10]より

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