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オスロブに残る 要塞跡「バルアルテ」を訪ねて

Oslob's Magnificent "Baluarte" and "Cuartel"

Statue of Fr. Julian Bermejo

「オスロブのイントラムロス」

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   ジンベエザメの見学ツアー客がひっきりなしに訪れているセブ島南西部にあるオスロブ町。ジンベエブームで町中が沸いている。数年前に何もなかった海岸には見学客用のホテルが立ち並び、町を抜ける国道には海を見下ろす場所におしゃれなレストランが並ぶ。ジンベエザメは海を隔てた東ネグロス州ドゥマゲテ市でも人気だ。「ジンベエザメのオスロブ町にはマニラのイントラムロスのような要塞跡が残っている」という話をしてくれたのはドゥマゲテ市のツアーガイドだった。ドゥマゲテからのツアーではかならずこの要塞跡とジンベエザメをセットにしてとても好評、というのだ。セブ市内からバスに乗って約3時間ちょっとの、オスロブの町をたずねた。

要塞跡の「バルアルテ」
 オスロブはセブ南端に近い町。海は美しく、浜辺からはダイビングで人気のスミロン島が見えている。さらにその先はボホールの観光の島、パングラオだ。国道から10分ほど歩くと、気持ちのよい海風が吹く芝生が茂った海べりに出た。そこには教会を中心に珊瑚石灰岩を積み上げてできた白い色の大きな建造物がいくつか残っていた。すぐ横には町役場もある。ここが「オスロブ町のイントラムロス」だった。
 その一角のいちばん端に海に向かってどっかりと、弧状の分厚い壁の残骸が立っていた。正面から見ると幅は約30メートル、高さ15メートルほどで、壁の厚さは1メートル以上はありそうだ。漆喰で固めた白っぽい珊瑚石がむき出しになっている。これが「バルアルテ(スペイン語で要塞の意味)」と呼ばれる、イスラム教徒の襲撃に備えて1788年につくらてた要塞跡だ。地元民は見張り塔とも呼んでいた。本来は六角形の構造物で高い部分には銃眼も備えられていたという。現在残っているのはその一部だ。こうした要塞兼見張り塔は北のカルカル町での東海岸に沿って約40塔つくられ、ここオスロブの浜辺だけでも7塔あったという。

「司令官司祭」ベルメホ神父
 バルアルテの前には右手に十字架をかざした白い神父像が立っていた。この要塞の構築や村の守りに貢献したフリアン・ベルメホ神父(1777~1851)だ。足元の碑によると、神父は築城やイスラム教徒との戦いで目覚しい成果をあげ、信者たちから「司令官司祭」として神様のようにあがめられていたという。神父はすぐれた戦術家でもあったらしく、度重なる戦いの中でも今から200年前に起きたスミロン島でのイスラムの指導者ゴランディン軍との決戦は、言い伝えに残るくらいの激しいものだった。この戦いの勝利は1813年、イスラムとの戦争に事実上終止符を打ったとされる。ベルメホ神父はその後、オスロブ教会の建設に着手、工事を監督しながらその完成後は隣町のボルジョオンで教区司祭を務め、74歳で亡くなった。
 バルアルテの横には作りかけの兵舎「クアルテル」、今で言うバラックが残っている。2階建てでアーチ型の入り口と窓をもち、壁の厚さは約1.5メートル、要塞の名にふさわしい頑丈なつくりだ。しかし建設途中でスペインがアメリカ軍に降伏したためスペイン人は逃げ、兵舎は完成しないまま放置されてきた。

島々に残る戦いの遺構
 このような要塞の遺構はセブ以外でもネグロス島のドゥマゲテ市やボホール、シキホール各島に残っている。いずれもイスラム教徒の襲撃で苦しめられた地域である。教会や鐘楼は時には見張り台や要塞にもなった。地図で見るとこれらの島々はイスラム教徒が多いスルー海やミンダナオ島のマギンダナオやサンボアンガに近い。スペイン人から「海賊」と恐れられていたイスラム教徒だが、彼らから見ればスペインこそが後からやってきた侵略者だった。このためスペイン人が居住するキリスト教徒の町は格好の攻撃目標となったのだ。

季節風に乗って海賊がやってきた
 南西の季節風が吹くころは海賊は帆に風を受けて北上し、フィリピンを一巡しながら浜辺の村々を荒らしまわったあとで、また季節風に乗って去って行った。北向きの季節風は「海賊風」とも呼ばれていた。
 海賊がやってきたらスペイン人や島の男たちは要塞に立てこもって抗戦し、女性や子どもは裏山に身を隠した。海賊は住民をさらって村を焼き払ったという。当時バタビア(今のジャカルタ)あたりには奴隷市場があり、さらわれた若い娘らは妾や奴隷として高値で売り払われたという。ここオスロブでも同じような戦いが幾たびも繰り返されてきたのであろう。
 ジンベエザメが泳ぐ今の平和そのもののオスロブの海からは、当時のことは想像もできない。

ジンベエザメ見学料金
フィリピン人
見学ボート乗船料: 300ペソ
シュノーケリング: 500ペソ
外国人
見学ボート乗船料: 500ペソ
シュノーケリング: 1,000ペソ
スミロン島ホッピング
5人乗りボート1,600ペソ~

ジンベエザメ見学へ
ジンベエザメ見学の場所はバルアルテのある町の中心部からさらにバスで小高い山を越え15分ほど南下したタナワン(Tan-Awan)村にある。バスを降りたら「Briefing Center(説明会場)」に直行しよう。

編集: 「ナビ・セブ」 Navi Cebu Vol 10

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オスロブ町内欧米人旅行者も目立つ
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