リゾートアイランド・セブのこだわり生活情報誌
現在地: Home トラベル おすすめ記事 イメージとの闘い、そしてエコツーリズム

イメージとの闘い、そしてエコツーリズム

青年海外協力隊    後藤まどか

ボホール島ロオン町の子供たち屈託のない笑顔は2013年10月 に起きたボホール大地震からの復興を物語っている

   「フィリピン? 怖いから行きたくない。」日本にいる友人をフィリピン旅行に誘った際にそう言われることは、悲しいことに何度もある。イメージ、先入観というのは、とてつもなく大きな壁である。しかもそれがネガティブなものであるからなおさら手ごわい。

クラリン家の旧邸ロアイ町
ハイビスカスに似た赤い野の花ロアイ町

   フィリピンの観光地と尋ねると、日本の人々はマニラ、セブ、ボラカイ、などと挙げるだろう。そんな私は、フィリピン内では名の知れた観光地「ボホール島」に青年海外協力隊として観光振興のサポートをするべく派遣されている。私自身、前職は旅行会社勤務であったが、ボホール島の取り扱いは正直なく、唯一「セブ島から日帰り観光のできる島がある」というような認識であった。そう、このイメージもまた根強い。配属先のボホール州政府観光センターによる観光客統計によると、2014年のボホール州年間観光客数は455,155人で、対するセブ州は3,018,322人(フィリピン政府観光省調べ)。そのうち日本人は8,090人(セブ236,170人)にすぎない。もっともこの統計は、島内の宿泊施設を利用した観光客に限る。そう、セブからの日帰り観光客はカウントされていないのだ。
   世界最小の霊長類であるメガネザル「ターシャ」やお椀を伏せたような小山が広がる摩訶不思議な「チョコレートヒル」が二大観光スポットであるボホール島。白く眩しい砂浜が広がり、目をみはるほどの透きとおった海と南国ならではの色鮮やかな珊瑚、そしてそれに群れるクマノミやハナダイ、群れをなして泳ぎ回るバラクーダ、時折ぷかぷかと顔を出すカメ、挙げればきりがないほど、ボホール島周辺にはシュノーケル、ダイビングスポットが多数点在しており、魅了されたダイバーたちが世界中から集まってくる。ダイビングのリピーターは確かに多い。しかしながら、こと観光においてはどうだ。「セブ島から日帰り観光のできる島」では、何度も足を運びたいと思うリピーターには繋がらない。
   観光地として、観光地であり続けるために、私たちはまずこの環境を守らなければならない。持続可能である環境があってはじめて観光が成り立つ。そしてそれは観光業従事者だけでなく、観光客をも含んだ全てのステークホルダーが理解しなければならない。私たちは、JICA(国際協力機構)技術協力プロジェクトの活動の一環として、ボホール州政府及び町、観光業関係者が協力し合ってエコツアーパッケージをつくり、エコツーリズムの確立を目指している。エコツーリズムとは、自然環境の他、文化・歴史等を観光の対象としながら、その持続可能性を考慮するツーリズムである。伝統的な布織や鍛冶、農業、マングローブなど、地域に根差した、素朴で飾らないスポットが点在しているボホール島ならではのエコツーリズムは、まだまだ荒削りだけれど、少しずつ評価を得ているところだ。先日、UNWTO(国連世界観光機関)の視察団もこのエコツアーを体験した。
   イメージを覆すこと、それは自分が動かなければ始まらない。ボホールは大人から子供まで学びうる島であると確信している。人々の生きる息遣い、子供たちの屈託のない笑顔、地震で壊れ果てた教会の復元、緑の段々畑が風になびくライステラス、青く澄み渡る穏やかな海。マニラやセブのような都会ではないボホールの自然に触れてみてはいかがだろうか。

ナビ・セブ第11号[Navi Cebu Vol.11]より

貝類の珍味もメニューに ココナツ殻に入った煮たばっかりのカラマイ
マングローブ林に生息するエビの一種タクラ 絵葉書のような田園の農作業風景ビラール町
ウズラと野菜のサラダ米の家ビラール町で ロアイ町の鍛冶場もエコツアーコース
ラフィア布織工房トゥビゴン町ラフィアという葉を加工して紡ぐ伝統工芸 ロオン町の歴史情緒あふれる石段
bottom-banners-bw 02 bottom-banners-bw 04 greyfooterbutton 03 facebook bottom-banners-bw 08
denwacho 2015 cebumapbanner Cebu City Tour navimanila23 dmsweblogo