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人気呼ぶ新観光 ”エコツーリズム・ボホール”

日比の友好が生んだ環境保全型のモデル

文 :    麻生 雍一郎   

写真 :    Ma. Clarissa Macalam   

2「エコツーリズム・ボホール」、「もうひとつのボホール・サプライズ」と銘打った、ボホール島の秘境や産業を探訪先に組み込んだツアーが人気を呼んでいる。
   ボホール州政府、観光局、各自治体に日本の国際協力機構(JICA)が協力して2月から3月にかけ実施した。
   いずれも盛況だったため、正式に観光資源として採用、島の新たな魅力を売り込んでいく方針だ。

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米の家と名付けられた博物館ではかつての精米方法を体験することもビラール町
   3月の2回目のツアーに参加した。セブ島などから泊まり込みで来た人だけでなく、ボホール島に長く住んでいる人が多く集まった。滞在6年、スキューバダイビングのインストラクター、水石和雄さん夫妻は「島民も知らない、我々も行ったことのない所が組まれているので、興味が湧いてー」と参加の動機を語る。
   約30人を乗せたバスは州都のタグビララン市を早朝出発、海沿いにいくつもの町や村を見ながら2時間半かけて東端のアンダ町へ。細い道を下った後、マングローブの浅瀬の上に竹を渡して作った〝揺れ橋”をロープを伝い、バランスを取りながら、船着き場まで歩く。待っていたのは1人乗りから4人乗りのバンガボート(アウトリガー・カヌー)。
   島々の断崖、絶壁に目を見張りながら10数分。ラマノック島の浅瀬まで来ると、ズボンやスカートをたくし上げ、素足になって海へ。マングローブの株、貝やサンゴの死骸、小石などに足や脛を傷つけないように用心して歩きながら上陸する。ここから秘境のトレッキングが始まる。かなりのアップダウンで汗が噴き出す。かと思うと、洞窟に入り、一瞬、ひんやり。天井には蝙蝠が舞う。 
 「これを見て下さい」。ガイドのルーカス・ヌナァグさんが指さす先には、素人目にもはっきり識別できるいくつもの人骨。傍には白く風化したカヌーの残骸。「マニラから国立博物館の専門家が来て調べました。先史時代まで遡る。石器の破片なども出ており、フィリピンの文明発祥の原点と見る学者もいます」。大小さまざまな洞窟、風化した岩や石が造った”龍”や”柱”など天然の創造物に目を奪われる。
   バスに戻り、美しい白砂のビーチ、アンダキナーレ浜辺まで戻ってランチ。ヤシの木陰のテーブルに並ぶのは、ガザミ(ワタリガニ)の蒸し焼き、バンガス(ミルク・フィッシュ)の塩焼き、ウニにココナッツミルクとビネガーを加えた濃厚なスープ、マンゴー、スイカ、パイナップルの果物等々。トレッキングの疲れが取れ、新たな活力が湧いてくる。
   続く見学先はハグナ町のハグナ・カラマイ製造会社。カラマイはココナツから作るボホール名産のジャム。他にもち米、黒糖、ピーナッツ、ウベ(ムラサキイモ)などを加え、何種類かのジャムやお菓子を作る。材料が熱せられ、混ぜられ、固まり、ジャムや菓子に変身するプロセスは興味深い。出来上がったばかりのジャムをパンに塗って食べる。実においしい。こんな伝統産業が観光コースに入っていなかった、というから驚きだ。試食した後は全員が買い求めていた。
   最後はロアイ町の1840年代に建てられた村長の家。この村にはかって米軍が進出したが、快く思わない集落の男たちは樹上や物陰から米兵の背中に飛びつき、殺害したという。怒った米軍は村の民家を焼き払ってしまったが、村長の家だけは消失を免れた。貴重な歴史遺産として残り、村長の子孫がガイド役を務めている。
   ボホール・サプライズ・ツアーにはJICAに派遣された専門家、平野邦臣さん(40)とJICA青年海外協力隊員の後藤まどかさん(30)が深く関わった。2年後に新空港の完成が予定される隣のパングラオ島に観光客が集中し、環境や生態系が失われる懸念が出てきた。これらを守るためにも新たな観光スポットと観光資源を見出そうと、観光局や現地ガイド、現地スタッフと一体となって共に見て歩き、市町村と折衝した。いま、それがエコツアーとして実ろうとしている。日比の友好が生んだ環境保全型の新観光ツアーのモデルとなりそうだ。
(あそう・よういちろう)

ナビ・セブ第11号[Navi Cebu Vol.11]より 

大きく育ってボホールを守ってほしい生物多様性研究所で植樹体験 ニッパ椰子の葉っぱで屋根や壁の材料を作ってみるロアイ町
カラマイの甘い香りにつつまれた工房ハグナ町 アンダキナーレのヤシの木陰でランチ
 オーガニックライスのメニュー 生物多様性研究所ビラール町で植樹のレクチャーを受ける
小型のバンカに乗ってラマノック島の島巡りに出発する
ラマノック島には6か所の神秘的な洞窟が残る
ラマノック島のガイドとボートマンたち
ロアイ町の伝統的鍛冶職人

 
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