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地震被害がもっとも大きかったボホール島西海岸の町

地震から12日目の被災地を訪ねて

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   今回の地震で大きな被害を受けたボホール島西海岸の町。地震から12 日たった10月27日、州都タグビララン市でバイクをレンタルして被災地を回った。
   タグビララン市から国道を北に向かう。途中で道が寸断。同市の西北にあるマリボホック町に向かう橋は橋脚を残して二つに折れて水没していた。住民は現在、無料の渡し船で隣町との間を行き来している。復旧工事はすでに始まっており、重機が入り鋼材も運び込まれ仮架橋工事が進行中。現場監督の話では11 月以内には完成するらしい。バイクを船に積んで向こう岸のマリボホック町に入った。マリア像だけが奇跡的に立ったままの状態で残っていたとされる全壊したマリボホック教会。柱も壁も跡形もなくなり、土石を盛ったようだ。トタン屋根のみががれきの間から見え隠れしていた。
   マリボホックからロオン町に行く国道沿いの家屋の被害は特にひどかった。壊れていない家はほとんどないと言っていい。損傷の少ないところでも壁にひび割れが走り、多くの家はブロック壁が倒れ柱のみになっていたり、その柱もへし折れて半壊状態になった建物が目立った。間仕切りのない広い空間の教会や町役場、ジムナジウム(体育館)など、大きく高い建物ほど被害を受け、昔ながらの高床式の木造家屋は比較的被害を免れていた。家や学校のブロック塀も長い部分で約10数メートルつながったままで倒れている。教訓として地震の際には塀から離れること。コンクリート製の分厚いベンチも横倒し状態だった。
   スペイン時代に建設されたバロック式のロオン教会は一瞬で倒壊、原型はなくなり珊瑚石灰岩のがれきの山になった。また、1階部分に壁がなく、杭のような柱が上階を支えている構造の家では、細い柱の地面部分がえぐれたり途中から折れて大きく傾いていた。ロオン町内では同様の造りの新築3階建て家屋の1階部分の柱が上からの重量で押しつぶされ、上階部分が地面に尻餅をついた格好になっていた。
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   がれきの山となったロオン教会の敷地内には被災した住民の青いプラスチックシートのテントが張られ、難民キャンプのようになっていた。テントが足りず、一つのテントに2,3家族が雑魚寝している。住民は余震への恐怖から崩れかけた自宅に戻る気にはならない。テントで避難生活をしているひとりの漁師は教会から500メートルほど離れた海べりに住んでいた。揺れが来たときは家の中にいた。「いったい何が起きたのかわからず這いずるようにして外に出た。そうしたら家の近くの地面が割れそこから泥水のような液体が噴き出してそのまま海に流れ、そして魚が死んだ。信じられなかった」と話した。そして倒壊した教会を指さし「まだ7人がこの下に埋まったままだ。一人だけ掘り起こしたが死んでいた。知ってる顔だった。重機がないのでがれきの撤去作業ができない」と早口で語った。
   ここロオン教会前の被災者テント村では地震から2 週間近くが経ち、子供たちの笑顔も見られテント生活も落ち着いてきたかに思えた。カメラを向けるとポーズまでとってくれる。
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   ロオン町の国道沿いにある南中央小学校に立ち寄った。校庭にたくさん張られた青テント。昼時だったためテントの外では数人の女性が木切れを集めて鶏肉のスープを作ったり飯炊きをしている。「あんたは日本人なの、仕事は、ここまで何しに来たの」とはじめから愛想がいい。校庭横の空き地にひときわ格好のいいキャンプ用の蚊よけネットのついた丸い形の白テントが数張りあった。「ロータリークラブ」のマークがあり、イギリス政府がくれたものだという。セブから訪れていた社会福祉開発省の女性職員は「今いちばん必要なものはテント、そしてトイレよ」と話した。新学期が始まる11月6日から授業は校庭の仮設テントで行われる予定だ。校舎の安全性が確認されるまでは立ち入りが禁じられているからだ。そのテントが不足している。新学期が始まると同時に校庭の避難住民の行き場所もなくなる。「アフターショック(余震)が怖くて家には帰りたくない、きっと再定住地に行くしかないね。倒れかけた家をつぶすにもお金がかかるしトタンを買うお金もない」。女性らはあきらめた様子で話していた。生活とお金に余裕がある住民は家財道具を車に積んですでに近隣の町に引っ越した。地震から1ヶ月も経たないうちに今度は猛烈台風ヨランダがビサヤ地方に襲来。ボホールは島東部が被害を受けた。仮設住宅もなく公営住宅への移転とか家屋補修の政府補助など、次々と災害に見舞われたフィリピンでは当分は実現が難しいだろう。避難住民はこれから自力で、それぞれに生活を切り開いていくしかない。
   10月29日、在フィリピン日本大使館はボホール地震の被災者へ緊急援助物資として、国際協力機構(JICA)を通じて3,800 万円相当のテント150張、プラスチックシート485巻を供与すると発表した。(編集部)
   *文中の写真は全て10月27日と28日に撮影したもの。

ナビ・セブ第6号[Navi Cebu Vol.6]より

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