フィリピン人男性の割礼
by ジャピーナッツ
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こちらに嫁いできて、当たり前のようにこんな風景を見ているので、当然、我が二人の息子たちも年頃になればやるものと思い込んでいた。しかしいざ「やろう」と思っても、具体的にどこに行けばやってくれるのか、正確な情報は、いや、私たちの生活レベルにあった情報はなかった。まず夫に聞いたが、夫の時代には、近所の適齢の男児が集められ、片っ端からナイフでやられた、という。もっと年上の親戚連中によるとナタでやった、という話だ。我が息子たちは中身はともかくれっきとした日本人である。そんな野蛮なことはさせられまい、ととりあえず行きつけの小児科に朝一番に行ってみた。そこで軽く1時間ほど待たされ、外科の医師を紹介されたのでそこへ行くと、そこでも1時間くらい待たされ、ようやく診察室に通された。すると向かいの病院でやるので、何時までに手続きを済ませておけ、と言われ、あっちに行き書類を出したり、こっちに行きお金を払ったりして、ようやく終わったのはすでに日が傾いていた。何のことはない、外科手術であった。費用は医者にいくら、手術室使用料がいくら、薬代がいくら、というようにちょこちょこと払わされたが、合計するとかなりの金額であった。割礼するのもたいへんなのね、と思ったが、まさか仮にも日本人である我が息子を、近所の保健所に並ばせてタダでやってもらうわけにもいくまいよ、と妙な見栄を張ってしまった。しかしだいたい要領はわかった。直接、外科医を訪ねればいいのだ。そして長男の時にはわざわざセブ市内まで出向いたが、家はマクタンなのだからマクタン島内の病院でもいいじゃん。
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「ここに必要なことを記入して」と、渡されたメモに個人情報を記入していると、「で、今日、やる?」と、あくまでも軽いノリであった。私は長男の時のことを思い出し、手術室の都合もあるだろうが、「可能であればやりたい」と言うと、「じゃ、そこで待ってて」と言われ、待合室の椅子を勧められた。待合室にはたくさんの患者がいた。老若男女様々で、ここには普通に外科の医者がいて、みんな何の病気か知らないけど、手術をする、もしくはした人たちなんだろうなぁ、と眺めていた。そして次々にその待っている人たちが診察室に入って行くが、ほんの1~2分で出てくる。内科や小児科にしか行ったことのない私としては驚くべきスピードで患者をこなしている。まぁ冷静に考えれば、ここで手術するわけではないから当たり前の話なんだけどね。
私たちが行った時には溢れかえっていた待合室の人がどんどん帰って行く。しかしいつまで経っても私の息子は呼ばれない。明らかに私たちより後から来た人たちに順番を抜かされている。そして遂に待合室には誰もいなくなった。受付のお姉さんが、「じゃ、入って」と言うので息子と診察室に入った。するとやたら愛想のいいオジさんがいきなり息子に言った。「坊主、痛かったら痛いと言えよ」と、診察室の奥の診療台に息子を寝かせ、手術用の手袋をはめ、麻酔と思われる注射を取り出した。
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長男のが恐らくかなり上のランクの割礼で、次男のが中の上くらいの割礼?施術後の出来栄えは、(私の見る限り)何ら変わりはない…。
ナビ・デ・セブ第4号[Navi de Cebu Vol.4]より