リゾートアイランド・セブのこだわり生活情報誌
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フィリピンタイムで暮らしてみれば

clock
by ジャピーナッツ

   私は日本にいた頃から腕時計はしていなかった。日本では正確な時計があちらこちらにあるので特に必要だと思わなかった。例えば電車の中で時間が知りたければ、前に座っている人の腕時計を覗き込めばわかる。私はこのようにして昔から他人の腕時計をアテにして生活する習慣がついていた。
 フィリピンにやって来た当初は、そもそも時間というものに追われていなかったので、今、何時かなんてまったく気にしなかった。約束もする必要がなかった。結婚をして子供が生まれると、社会にそれなりに関わってくるようになり、多少の時間には縛られるようになったが、それでも周りは1~2時間のズレはへっちゃらな「フィリピンタイム」であった。
 ある時、知人が祭りの「ミセスコン(テンスト)」に出るので、写真を撮って欲しいと頼まれた。午後8時から始まると聞いたが、どうせフィリピンタイムだろうと、8時に家を出て行き小一時間遅れていった。到着した時には「ミセスコン」の前の「ミスコン」の前の「リトルミスコン」もまだ始まっておらず、結局、「ミセスコン」が始まったのが夜中の12時を回っていた。また子供の幼稚園の遠足の時の話だが、集合時間きっかりに行ったが、なかなかバスが来なかった。2時間後にようやくバスが来て出発したのだったが、遅れた分は途中を省いて帳尻を合わせるのかと思いきや、予定はあくまでもこなす、という姿勢。しかも何かを見学して戻ってくる度の集合時間もあってないようなものだったりして更に遅れ、極めつけは途中の交通渋滞で、予定では4時解散のはずが、夜9時過ぎにこん睡状態の子供をおぶって帰ってきた、なんていう思い出もある。
 そういえば日本で時計を合わせるときに、よくテレビを利用していた。画面に時刻が出ているからということもあるが、時間きっかり始まるから。よくNHKのニュースのオープニングの秒針付きの時計を見ながら新しい時計の時間を合わせたりしたものだ。しかしこちらの番組と時間の関係はまったくアテにならない。番組の宣伝も、「何時から」なんてことは言わず、「~の後」といっているくらいであるので、最初からきっかり始めるつもりがないのかもしれない。
 私の夫も時間にはルーズである。外で待ち合わせをすると時間通りに来ることはない。10分くらいして携帯電話に電話をすると必ず、「今、向かっている。もうすぐ着く。」と言うが、「今、どこ?」と具体的な場所を尋ねるとゴニョゴニョと何か言っているがそのうち電話が切れる。30分以上遅れて来て、これまた必ず「すっごい渋滞で。」と言う。私もこれを最初は信じていたのだったが、ある時、家で寝ていた夫に電話がかかってきた。夫は電話に出ると、「ああ、今、向かっている。もうすぐ着く。」と平気な顔をして答え、電話を切ってからのんびり水浴びをして出かけたのを見て以来、夫とは外で待ち合わせはしないことにした。
 仕事をしている今でも腕時計は持っていない。家を出る時間さえ合っていればあまり必要はないと思っている。しかし時々、予期せぬ渋滞にハマることがある。いつもはこんなところで止まらないのに、何で今日は止まっているの、なんて思っていたら、事故とか、故障車が道を塞いでいたりして車が進まないとさすがに時間が気になってくる。まぁ、携帯電話があるので、カバンの中から取り出せば時間はわかるのだけれど、満員のジプニーの中で、カバンをゴソゴソするのもはばかれる。なのでつい前の人の腕時計を覗き込む。今はだいたい7時半くらいだろうと思っていて8時だったりすると焦る。しかしその隣の人の腕時計を見ると7時45分。そのまた隣の人のは7時。こうなるともうどれが正しいのかまったくわからなくなり、結局、ゴソゴソと自分の携帯電話を出し時間を確かめなくてはならない。朝のジプニーは出勤に利用する人が多いので、腕時計をしている人が多い。しかし皆が皆、正確な時間なのかというとになるとそうでもない。いや、そういえば正確な時間を示している腕時計をしている人を見たことがないかもしれない。30分くらいの開きなどは当たり前で、すごいのになると、7時半なのに、11時とか、3時とかになっていて、壊れているのかと思ったが、ちゃんと秒針も動いていたりする。中には秒針も動いていない完全に壊れている時計をしている人もかなりの確率でいる。もうこうなると腕時計は時間を知るためにしているのではなく、ファッションとか身だしなみとかそういうレベルなんだろうか、とあれこれと考えているとジプニーの中で時間が潰せる。
 フィリピンでは「時は金なり。」という諺は通じない。

ジャピーナッツの自己紹介
   1999年1月に初来比。半年後に移住し2000年にフィリピン人夫と結婚し一族に囲まれたコミュニティーで生活をしている。高校生の頃からフィリピン人に間違われ、日本だけではなく世界中どこを旅してもフィリピン人に間違われていたので、フィリピンに来たことはおそらく運命であったと今は思っている。フィリピン人からは「日本語、うまいね。」と根本的な間違いをされるほど溶け込んでいる、と自負しているアラフォー女子。

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