リゾートアイランド・セブのこだわり生活情報誌
現在地: Home コラム ひとびとの暮らし セブ島暮らしの美容室事情

セブ島暮らしの美容室事情

haircut21-300x199
by ジャピーナッツ

   セブにやって来た当初、髪を切るところを探すのにたいへん苦労をした。セブで一番最初に髪を切ったのは、小さな離島でだった。海の前にプラスティックの椅子をどんと置いて座れとのこと。青年が洋裁用の裁ち鋏で、髪の毛も濡らさず、そのままジャキジャキと切ってくれた。とても丁寧に切ってくれた。そして出来上がった私の髪型を眺めまわして、「シャロン・ストーンみたい!」と、言った。シャロン・ストーンってどんな髪型してたっけって思ったけど、それからその島でウロウロすると、みんなが「シャロン・ストーンみたい!」って言ってくれたので、この島ではシャロン・ストーンみたいってのはお世辞の代名詞みたいなもんなんだろうなぁ、と思ったものだ。日本人の評判も悪くはなかった。そして何より驚いたのが料金であった。日本から来て間もなく、まだフィリピンの物価をわかっていなかった頃だったが、驚く程安かった。
 それからマクタン島に引越してからは苦労の連続であった。「髪を切りたいんだけど。」と連れて行ってもらったところは、野原の真ん中の掘っ立て小屋で、本当にこんなところで髪を切ってくれるのかと半信半疑で中に入ると、一応、床屋椅子が一つ置いてあってその前には大きな鏡もあり、床屋さんって感じはする。ヨレヨレのTシャツを来た年齢不詳の男性が出てきたので、「アナタ、髪、切れるの?」と聞いたら、「任せておいて!」と自信満々であったが、サザエさんに出てくるワカメちゃんみたいな髪型にされ、それからしばらく日本人からは同情の目を向けられた。連れて行ってもらった人に文句を言うと、「彼は男性専門だった。でも子供は女の子もやる」と。今更言うな、というようなことをサラリと言った。しかし料金は離島よりも更に驚くほど安かった。
 そうか、男性に聞いてしまったから悪いんだな。と、今度は女性に聞いてみることにした。すると驚いたことに、「美容院?行かない」という返事が返ってきた。そう言われてみれば、みんな長い髪で手入れもされておらず、ただただ伸びちゃったという感じ。それでは、と短い髪型の人に聞いてみると、やはり「美容院?行かない」という返事。どういうことかというと、髪切る人が向こうからやって来るんだって。「髪、切らない?」なんて言ってその辺を歩いて客を探すんだそうな。しかしこれでは切りたい時には切れない。日がな一日、木陰で過ごしている人たちにはいいかもしれないけど。
 今、思えば、当時の私はあまりにも田舎者たちに囲まれて暮らしていて、彼らの生活がフィリピンのスタンダードであると思い込んでいた。一人で町へ出るようになると、ちゃんと美容院があることがわかった。しかしこちらの美容院は、髪を切る客より爪の手入れをする客のが多いようだった。そして美容師によってかなり技術のバラツキがあることも経験した。しかしオバチャンよりもオバチャン風なオジチャンの方が、センスはよかった。店によっては本物のオバチャンとオバチャン風オジチャンと料金がちがうなんてところもあるらしく、もちろんオバチャン風オジチャンのが高かった。
 こうして町の美容院に行くようになったのだが、これはいつも賭けであった。一応、最初にどんな髪型にしたいか、と聞いてくれるが、忠実に守ってくれる人は皆無だった。それならばいっそお任せにしてしまおうと、開き直った頃もあったが、頼みもしないのに眉毛まで剃られたこともあり、それも危険であった。たまに「この人、うまい!」という人に当たるが、では次に同じ店に行ってもその人はすでにいないことが多い。今度はどんな髪型にされてしまうのか、と毎回戦々恐々なのである。
 やはり傾向として町の中ほど、技術とセンスはしっかりしているように思う。しかし、私は所詮、田舎者であるので、髪を切りに行くだけにわざわざジープニーを乗り継ぎ、町中に出てくるのは結構な労力である。それに結局のところ、変な髪型にされたところで2ヶ月もすれば伸びちゃうしね。私が髪型に対する気持ちはその程度である。
 息子たちに至っては更にかまってはいない。日本の感覚で、散髪代もバカにはなるまい、と母が電動バリカンを買ってくれたが、意外と手入れもたいへんで、何より、こちらに技術がないもんだから、結局はオパウ(坊主)になってしまい、子供たちからたいへん不評であった。近所の掘っ立て小屋床屋に行けば驚くべき安い値段で散髪をしてくれるので、その電動バリカンは無用の長物となっている。そして息子たちは毎回、ドングリみたいな髪型にされ、私的にはどうかと思うが、本人たちが満足していればそれで構わない。
 姑は不定期にやって来るオバチャン風オジチャンに散髪をしてもらっている。なかなかの腕前であるとは思うが、時々、大仏みたいなパーマをかけられたり、ピンクに髪を染められたりしていてやりたい放題である。しかしこれまた本人はさほど気にしていない、いや、むしろ気に入っているのかもしれないと思うフシもあるが、私がやってもらうことはないことは言うまでもない。

ジャピーナッツの自己紹介

   1999年1月に初来比。半年後に移住し2000年にフィリピン人夫と結婚し一族に囲まれたコミュニティーで生活をしている。高校生の頃からフィリピン 人に間違われ、日本だけではなく世界中どこを旅してもフィリピン人に間違われていたので、フィリピンに来たことはおそらく運命であったと今は思っている。 フィリピン人からは「日本語、うまいね。」と根本的な間違いをされるほど溶け込んでいる、と自負しているアラフォー女子。

bottom-banners-bw 02 bottom-banners-bw 04 greyfooterbutton 03 facebook bottom-banners-bw 08
denwacho 2015 cebumapbanner Cebu City Tour navimanila23 dmsweblogo