リゾートアイランド・セブのこだわり生活情報誌

フィリピンは文学の土壌も大変、豊かである。

   フィリピンは文学の土壌も大変、豊かである。天才ホセ・リサールを生むほどの国だから、当然といえば当然だが、その豊かさを感じさせる作家として、私が好きなのはグレゴリオ・ブリヤンテスである。ジャーナリストとして鍛えた英語力にタガログ語を散りばめ、独特のリズムとスタイルがある。日常の断面を鮮やかに切り取って見せる手法はヘミングウェイに通じるが、ヘミングウェイほど対象を突き放さず、主人公と対象の間に適度な気持ちの交流を持たせながら書く。


   作品は悲劇で終わるものが多い。小説でも絵、彫刻、演劇でも人が感動を覚え、余韻に浸るのは、ハッピーエンドではなく、悲劇である。ギリシャ悲劇然り、受難したキリストを抱く聖母マリアの「ピエタ」然り。ブリヤンテスもそのことを良く知っている。登場人物の多くは神への信仰を失い、孤独に陥っている。この設定もヘミングウェイと同じだ。それなのに作品は暗くない。逆に明るい。色、におい、香りまできちんとつけている。読んだ後、読者はある種の幸福感に満たされるだろう。


   フィリピン人の所得は日本人より低く、国の富で見ても日本より貧しい。犯罪も多い。しかし、フィリピン人は余り深刻な顔をしていない。幸福度の調査をすれば、「不幸せではない」と答える人が日本を上回るのではないか。なぜか? ブリヤンテスを読めば、なぜなのかが分かってくる。(雍)

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