リゾートアイランド・セブのこだわり生活情報誌

アントニオ・デ・モルガ著「フィリピン諸島誌」を読んでいる


 アントニオ・デ・モルガ著「フィリピン諸島誌」を読んでいる。スペイン国王フェリペ2世から1593年フィリピン代理総督に任命され、マニラの司法行政院最上級審議官も務めたモルガの著作は初期のフィリピン統治と内外の出来事を知る上で最も優れた歴史書といっていい。驚くべきは日本人の傭兵や商人が随所に登場し、豊臣秀吉から徳川家康に移る日本の政権の動きまで詳しく記載されていることだ。秀吉がフィリピン総督に降伏と朝貢を求めた話は聞いていたが、その書簡が写真入りで掲載されている。書簡はスペインに現存しているのだ。
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 モルガに日本の情報を与えたのは宣教師たちである。この書を読むと、宣教師たちはカトリックの布教にとどまらず極めて優秀な外交官であり、日本駐在特派員であり、時には諜報活動家であったことが分かる。幕府は後に鎖国政策を取るや、日本人の出国だけでなく、海外在留邦人の帰国まで禁じた。傭兵や商人の中には記録や日誌を付けていた者もいたであろうが、貴重な記録が持ち帰られることはなかった。この時代の海外日本人の研究は日本ではいまだに空白状態である。
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 シドニー特派員を務めていた頃、豪州大陸の発見者はキャプテンクックではない、その150年も前に日本の山田長政が発見、上陸していた、との論文をオーストラリアの歴史家や作家が書いているのを見つけた。長政が艦隊の基地をおき、戦利品を埋蔵したという豪北部の島を特定したものもあった。事実なら豪州史はもとより世界史がひっくり返る。タイのアユタヤまで訪ね、調査取材を試みたが、実証できなかった。欧州のどこかの古文書館に長政関連の記録が眠っていはしないか、といまだに諦めきれないでいる。

[2015年7月27日のまにら新聞から]

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